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近未来都市ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」の日本語版公式ファンサイト。翻訳チームが運営しています。

キャラ紹介「ユンコ・スズキ」:戦闘用オイランドロイド・ボディの脳チップ再生者

今日のキャラ紹介記事は、第3部「不滅のニンジャソウル」編から登場となるネオサイタマ・サイバーゴスガールのユンコ・スズキです。

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「やってやるッ! 私はカワイイだッ!」

つい先日Twitter連載が終わった最新エピソード「アンダーワールド・レフュージ」にも登場しましたね。今回は、ニンジャソウル憑依者ではなく、かといって一般的なモータルでもない、特殊な立ち位置にあるユンコの魅力について迫ってみようと思います!

 

 

◆ユンコ・スズキ◆

外見的特徴

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黒いサイバー・ゴーグルを額に、肌は雪のように白く、眉毛は製造番号めいたバーコード状。サイバーゴスウェアに、厚底のサイバーゴスブーツ。身長162cm。頭は象牙色とターコイズ色のLANケーブルヘア。瞳は両目がサイバネ・アイで、右の瞳は氷のように冷たい青、左の瞳は黄色で「∴」状に並んだ黒い瞳孔がしばしば回転し赤い照準レーザー光を発する(外見的には青と黄のオッド・アイである)。 

 

 

戦闘スタイル

ユンコ・スズキは所謂「戦闘サイボーグ」であり、最高級オモチシリコン肌に包まれた頑強な金属と強化カーボンのボディを有しており、その内側には無数のケーブルが走っている。のみならず、全身に武器を搭載。ニンジャソウル感知機能(狭い範囲にのみ有効なレーダー的なもの)がニンジャの接近を感知すれば、それまで継ぎ目の一切見えなかった腕や脚部が突然展開し、内部に隠されたマシンガンやマイクロミサイルポッドなどで迎撃を行うのだ。そのボディ素体は、オムラ社のモーター兵器シリーズが暗殺用オイランドロイドとして作っていた戦闘試作機「モーターカワイイ」であり、モーターヤブやモータードクロなどを祖とするオムラ戦闘AIも搭載されている。もちろん、銃器を使わず、素手のカラテ戦闘モードに入ることもできる。

 

このように、ユンコは一般人と比べれば圧倒的に強力な戦闘力を有しているが、残念ながらニンジャとの戦闘ではそもそも銃弾を命中させる事が困難であり、かといって接近戦に持ち込まれると、モータードクロほどの大型戦闘用ボディではないため、オムラAIによるテクノカラテ戦闘ではニンジャを殺しきれない。それどころか、ニンジャのカラテに圧倒され、部位破損を起こすことも珍しくない。ユンコ自身のカラテではなく、プログラムされた戦闘用AIで戦うため、ユンコを強化するには、その搭載武器を強化するか、身体パーツをより戦闘的なものに置換するか、あるいはAIプログラムを改善するのが基本的な選択肢となる。だがユンコ本人は自分の体をカワイイの状態に保つことを好んでおり、自分の体を無骨な兵器と化すことは嫌うようだ。

このような理由から、戦闘時におけるユンコの役割は「頑丈なハッカー」または「ナンシーのボディガード」となる事が多い。LAN直結能力を持つためハッカーの助手的なことは一通りこなせるし、ニンジャソウル検知機能を持っているため接近に備えられ、クローンヤクザ程度であれば難なく倒せてしまうのだから、ナンシーにとって彼女ほどのボディーガード適任者はいないだろう。なおナンシーは彼女を弟子として扱い、しばしばアジトや潜伏先ホテルなどに同棲し、給金なども払っているようだ。

 

 

◆オリジン・エピソード◆

ニンジャスレイヤー物理書籍第3部2巻「死神の帰還」に収録の「レプリカ・ミッシング・リンク」が、ユンコの初登場エピソードにして最重要エピソードだ。

ニンジャスレイヤー 死神の帰還 (不滅のニンジャソウル # 2)

ニンジャスレイヤー 死神の帰還 (不滅のニンジャソウル # 2)

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NINJA FACTS 

いつもトロ・スシを食べている

ユンコは作中でいつも、マグロ・スシやオーガニック・トロ・スシを食べている。スシが大好きなのだろうか?  そうではない。他にも好きな食べ物はたくさんあるかもしれないが、彼女の体はオムラ社製の暴力的なロボニンジャ「モータードクロ」由来のスシによるエネルギー補給機能を備えており、スシを食べて自らのボディの動力を賄えるだけでなく、トロ成分を補う事でバイオニューロンチップがよりスムーズにAIや身体の制御を行えるのだ。

逆に言うと、トロ・スシが不足してしまった場合、ユンコはスリープモードに入り、自我をシャットダウンさせてしまう。誰かにトロ・スシを与えられるまで、その場に座り込んだまま、レスキュー電子音声でスシを求め続けるのだ。彼女は身体のメンテ代だけでなく、トロ・スシを食いってくだけのカネを稼がねばならぬため、エンジニアの勉強をしながらヤバイ級ハッカーであるナンシー・リーの助手を務める事となった。

 

スズキ・マトリックス理論

何故ユンコ・スズキだけは脳チップからの再生に成功したのだろう? それは彼女が、父トコロ・スズキが開発したスズキ・マトリックス理論を用いて復元されたからだ。その論文は複雑だが、要するに、脳チップ再生者に不足しがちな強い情動を、ネコネコカワイイ由来のマイコ回路とオムラ戦闘兵器由来のモーター回路および複数の補助AIによってサポートするというものらしい。

このため、しばしばユンコはマイコ回路と医療用モードの暴走によって、本人の望まぬ医療行為(オイランドロイドの行う医療行為が何かは書かないでおこう)を行おうとしたり、味方であるニンジャスレイヤー等に対して、戦闘用モード機能による無意識な射撃ロックオンを行ってしまう事があるのだ。

ユンコのボディには様々な不便があるが、彼女は徐々にそれらを制御し、不具合が起こる事をある程度のみこんだ上で、一緒にうまくやっていこうとしている。おそらくそれは、彼女自身の性格や趣味嗜好が寄与するところも大きい。生きている頃から自分の健全な肉体を最新鋭のサイバネパーツに置換し、それがクールな事だと考えるネオサイタマ・サイバーゴスの彼女だからこそ、こうした要素を受け入れるクッション的な下地があったのだろう。

仮にもし、全て生身であった普通の市民が、ある日突然死んだと思ったら復活して何かと不便なオイランドロイド・ボディになっていたら、おそらく様々な違和感や将来への不安や自我やら何やらのアレで発狂マニアックになってしまうのではないだろうか。実際、スズキマトリックス理論を使って他にも何人かのニューロンチップ者再生が行われたようだが、今のところ全て失敗に終わっている。他にも何か理由が存在するのかもしれないが、彼女はとにかく前向きに自分の複雑なボディと折り合いをつけようとしているのだ。

 

サイバーゴス

ユンコの所属する文化はサイバーゴス・カルチャーだ。これはジョック的な価値観に馴染めないハミ出し者の若者の拠り所となるカルチャー潮流のひとつで、暗く妖艶な世界観を服飾や言動で表現しようとするゴス・カルチャーが、電子メカニカル崇拝、エレクトリック・ミュージック崇拝と結びついて変質したものだ。

現代社会におけるサイバーゴスはサイバーパンクへの憧れを蛍光色やPVC素材のファッションなどに込めていくが、既にサイバーパンク社会真っ只中のネオサイタマではサイバネ手術が本当にできてしまうので、実際に身体を改造していく者も珍しくない。とりわけ、ユンコの状態は、ある意味でサイバーゴス・イズムの極北でもある。

フジキド・ケンジやナンシー・リーを始めとして、あるていど成熟した価値観を持つ大人の人間が主要キャラの位置にある「ニンジャスレイヤー」という作品において、彼女ユンコ・スズキは、未成熟な若者の悪戦苦闘・成長を担っていくキャラクターの一人と言えよう。

 

 

人間なのかアンドロイドなのか?

ユンコ・スズキの体は全てがマシーンであり、オーガニック部位はゼロである。全身義体のボディに、事故死したユンコ・スズキの遺体から作った高密度バイオニューロンチップが積まれているのだ。

バイオニューロンチップは単なる記憶のROMではなく、擬似的に作られた高密度ニューロンであり、呼吸し、成長する。また脳髄そのものを材料とするため、コピー技術は作中の時点では開発されていない(そもそも脳チップからの再生技術は確立しておらず、遺体コールドスリープ保存のような、遠い未来にもしかしたら復活できるかもしれない、程度の金持ちの気休めとみられている)。

こうしたサイボーグ系/レプリカント系キャラの定番として、自分は本物なのかどうか悩んだり、あるいは逆に、機械的反応しかしなかったのがある日突然自我に目覚めたりして戸惑うなどの要素がある。しかしユンコの場合は、最初からずっと、そして現在の自分の状態を知ってからも、自分がトコロ・スズキの娘であり、本人であり、人間であることに何ら疑いを抱いていないし、むしろこの状態であることに誇りを抱いている点が特徴と言えるだろう。このオイランドロイドの体で死から蘇って生きている事そのものが、父トコロが自分を愛してくれていたことの何よりの証拠だからだ。

このように、ネオサイタマ・サイバーゴスなので社会や他人に媚びようとせず、また自分が人間なのかアンドロイドなのかとかで必要以上に悩んでクヨクヨしたりもせず、かつほどよく欲望や趣味に忠実で前向きに楽しそうに暮らしているのがユンコの魅力の大きなひとつと言えるだろう。彼女はお気に入りの服を着れば普通に機嫌が良くなり、ネオサイタマ・サイバーゴスのスタイルを嘲笑されれば口汚く怒り、壁を殴って突き破れるほどの力を持ちながら、それによって手を覆うオモチシリコンが傷つき剥がれてしまうのを躊躇ったりもするのだ。ユンコが機械なのか人間なのか、あるいはそのどちらでもないのかは、完全に読み手に委ねられている。あなたの視点を意識的に変えて彼女の登場エピソードを読むと、その印象が大きく変わる事に驚かされるだろう。 

 

◆未来へ◆

いかがだったでしょうか。サイボーグものの定番設定をひととおり揃えつつも、ネオサイタマならではの魅力が詰まった彼女は、ポストサイバーパンクみが強いニンジャスレイヤー第3部「不滅のニンジャソウル」編における象徴的なサブキャラクターのひとりと言えます。

興味を持った方はぜひ「レプリカ・ミッシング・リンク」からユンコの戦いを追ってみてはどうでしょう。彼女は初登場以降も多くの巻で登場し、新刊「ケオスの狂騒曲」においては書き下ろしエピソードにも出てきます。

ニンジャスレイヤー ケオスの狂騒曲

ニンジャスレイヤー ケオスの狂騒曲

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なお、このブログ記事用に投稿されたすべてのユンコ画像は、ここからチェックできます、応募ありがとうございました!⇨ #ブロゴOK308 - Twitter Search 

第3部の連載が終わる頃には、さらに深く掘り下げた彼女の(02)記事が公開できるのではないかと思います。お楽しみに。

(Tantou)