読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ニンジャスレイヤー公式ファンサイト:ネオサイタマ電脳IRC空間

近未来都市ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」の日本語版公式ファンサイト。翻訳チームが運営しています。

事象は殺せない。遮るもの全てを叩き潰す破壊概念:ランペイジ

キャラ紹介

 

今回はニンジャスレイヤー第二部において強烈な存在感を放つヴィラン、ランペイジを紹介しよう。イラストレーションからも分かる通り、とてつもなく巨大なサイバネアームを持つ異様なニンジャである。このアームで殴られるとどうなるか想像してみていただきたい。

殴られたくはない。

ニンジャスレイヤーはサイバーパンクなので、人間は気軽に人体組織を機械と置き換えるし、いわんや、常識はずれのサイバネ手術に耐えられるニンジャをや、である。それでもなお、このランペイジのサイバネティクスは常軌を逸している。彼は何者なのか?

 

 

f:id:NinjaHeads:20160129123233j:plain

俺はソバシェフ・ランペイジ事件だ。事象は殺せない。

 

◆ランペイジ◆

本名、ゼンダ・ナカト。キョート共和国、ガイオンの地表で店を構えるソバシェフであったが、有毒ガスを撒き散らす人工プロテイン粉末加工工場が付近に建設されたことで廃業を余儀なくされた。何もかも失った彼は、絶望の果てに工場に対する破壊行動を行って逮捕される。服役中もその怒りは薄れることはなく、のちに脱獄。ニンジャとなった。

 

◆外見的特徴◆

身長約190センチの偉丈夫。しかしその恵まれた体躯も、異様な両腕に挟まれれば小さく見える。彼の両腕はブルドーザーじみた無骨な鉄塊に置換されているのだ。顔には鉄仮面めいたフルメンポを装着し、表情を排除している。

◆戦闘スタイル◆

ジツ:カラテ比率=0:10

基本的にその巨大なサイバネアームで、ただ殴るだけである。それで十分だ。殴られた相手はとてつもない質量とニンジャのカラテ、杭打ち機めいたシリンダー機構の爆発力が乗算された衝撃を受け、肉体を完膚なきまでに破壊され、一瞬にして血煙と化す(ゼリーを金属バットで殴るようなものだ)。建物、機械、市民、ニンジャ……彼の行く手を遮るものは、生きていようが無機物であろうが等しく、ただ殴り、潰し、破壊すべき障害物でしかない。

このサイバネアームは彼の極めて強いニンジャ腕力をもってしても手に余る代物であり、敏捷性が犠牲となる。ニンジャ同士のイクサにおいて敏捷性の欠如は致命的だ。しかし彼は持ち前のニンジャ耐久力にものをいわせ、敵を最終的には回避不能の状況に追い詰め、殴って殺す。

◆オリジン・エピソード◆

【ザイバツ強襲!】内、「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」では、ニンジャとして覚醒する以前の彼のあらましが語られる。ガイオンの刑務所「ザシキ・ダンジョン」に、ある目的をもって潜入したニンジャスレイヤーは、同室の囚人として黙々と服役する彼としばらく生活した。ニンジャスレイヤーはこの時点で彼の内なる憤怒の存在を察知していたが、それについて取り沙汰はしなかった。

ゼンダはどこまでやる? 彼が世に放たれれば、今度は建設中物件の破壊などでは終わるまい。彼を絶望へ追いやったメガコーポの人間のみならず、多くの無実の市民すら犠牲になるやも知れぬ。……だが、フジキドにはゼンダの復讐を懸念する資格など、ありはしない。

(【ザイバツ強襲!】「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」p379)

このとき既にランペイジは己のその後の人生の道筋を定めていただろうか?

彼の転機は、邪悪なるニンジャ、デスドレインとの邂逅であった。

「お前、ぶっ壊したり殺したりすると楽しいんだろ? ゾクゾクするんだろ。綺麗事じゃねえよこういうのは。俺、ピンと来るんだ、そういうの」

新聞記事を頼りに彼のもとへ訪れたデスドレインの誘いを受け入れ、ニンジャとして、無差別破壊、無差別殺戮の地獄の道を歩み始めたのだ。

 

ニンジャスレイヤー ザイバツ強襲!

ニンジャスレイヤー ザイバツ強襲!

  • 作者: ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく,本兌有,杉ライカ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2013/06/29
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (11件) を見る
 

 

◆重要エピソード◆

ニンジャとなって以後の彼が初めて物語に現れたのは、【聖なるヌンチャク】内、「……ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」である。ガイオン市街、オミヤゲ・ストリートを、デスドレインとともに手下の外道犯罪者ニンジャ達を率いて襲撃した。この時のランペイジにはまだ生身の腕があり、そのワザマエも比較的常識的なニンジャの範疇であった。無軌道・無計画な殺戮行為にデスドレインに方向性を与え、手下を集めるなど、実務的な働きをしていたようだ。

続く「アウェイクニング・イン・ジ・アビス」で、ついに彼はトレードマークであるサイバネアームを手に入れる。サイバネ技師を襲い、脅迫して手術を行わせたのだ。このエピソードでは実際に彼のサイバネアームがどれほど恐るべき凶器であるかを目の当たりにすることができるだろう。

ニンジャスレイヤー 聖なるヌンチャク (キョート殺伐都市 # 4)

ニンジャスレイヤー 聖なるヌンチャク (キョート殺伐都市 # 4)

  • 作者: ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく,本兌有,杉ライカ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2013/12/28
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (2件) を見る
 

 

ランペイジの破壊行為の決着となるのは【マグロ・アンド・ドラゴン】内、「ドゥームズ・デイ・ディヴァイス」だ。ランペイジはついにニンジャスレイヤーと対決する事になる。マグロ・アンド・ドラゴン社を狙い、周辺の建物を破壊し、市民を惨殺し、市庁舎を壊滅させる。ぜひニンジャスレイヤー第二部を読み進め、結末を見届けて欲しい。

ニンジャスレイヤー マグロ・アンド・ドラゴン (キョート殺伐都市 # 6)

ニンジャスレイヤー マグロ・アンド・ドラゴン (キョート殺伐都市 # 6)

  • 作者: ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく,本兌有,杉ライカ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2014/07/09
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (6件) を見る
 

書籍版は重点的に改稿されており、経緯が大きく異なる。 

◆NINJA FACTS◆

アカラ・ニンジャ

ナラク・ニンジャが喝破したランペイジの憑依ニンジャソウルの名はアカラ・ニンジャ。いわゆる名付きのアーチニンジャのソウルである。ランペイジの粗雑で巨大な尋常ならざるサイバネティクスを成り立たせているのは、アカラ・ニンジャ由来の超自然の力が寄与するところもあろうか。

デスドレインとの旅

ニンジャとなって以降、ランペイジはデスドレインと行動を共にした。彼らはいわば車輪の両輪であり、全く異なるパーソナリティを持ちながら、デスドレインが直感したように、異常な殺戮者として何らか重なる部分を持ち合わせていた。しかしその重なる部分すらも、本質的には真に同じものではありえなかった。その相違が彼らを破滅へ導いたのか。あるいは、その相違こそが、破滅に至る彼らを共に歩かせたのか。ランペイジの語る言葉は少ない。しかし丹念にその振る舞いを辿ってゆくことで、答えの一端を得る事はできるだろう。

「キョートを支配するのはザイバツ・シャドーギルド。ギルドは厳格な位階制度を持つ格差社会であり、その支配を拒む者を容赦なく排除する。無軌道に破壊と殺戮を繰り返すデスドレインとランペイジは、日の当たる場所にも、闇の世界にも、居場所が無い。彼らはひとつところに留まる事が無い。各エピソードにおける彼らの断片は、全体でひとつの旅になっているわけだ」とは原作者の弁。

人がニンジャとなる事

ランペイジは物語の進行に伴って、そのありようを段階的に、より人ならざるものへ変貌させてゆく。超人性を極めたニンジャの行き着く果ては、感情や意志すら介在せぬ、自然現象、天災の類に近いのかもしれない。だが、それだけだろうか?

ザシキ・ダンジョンでフジキドと言葉をかわした時のゼンダと、ドゥームズデイ・ディヴァイスにおけるランペイジは、肉体も精神もまるで異なっている。だが一方で、一貫して変わらぬ人間性も残されている。その変わらぬ一欠片が、彼の物語の結末において表面に発露する。

ニンジャとはなにか。ニンジャになるとはどういうことか。人とはなにか……。彼の道行きそのものが、ひとつのニンジャ論である。

 

(Tantou)