読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ニンジャスレイヤー公式ファンサイト:ネオサイタマ電脳IRC空間

近未来都市ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」の日本語版公式ファンサイト。翻訳チームが運営しています。

ニンジャスレイヤー第1巻は「これまでのあらすじ」からスタートする

リサーチ/レポート

◆「これまでのあらすじ」……。◆ 

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

  • 作者: ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく,本兌有,杉ライカ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2012/09/29
  • メディア: 単行本
  • 購入: 40人 クリック: 2,071回
  • この商品を含むブログ (87件) を見る
 

 「やったぞ! ニンジャスレイヤー第一巻ネオサイタマ炎上1をゲットした! さっそく読み進めないと、 僕の中のニンジャアトモスフィア欠乏症が深刻だよ!……エッ!? これは一体!?」

f:id:NinjaHeads:20151213141232j:plain

「なんだって? 最初に『これまでのあらすじ』と書いてある! イ……イクエイションって誰だ!? 頭がばくはつしそうだ!」このようなショック症状を訴える読者の方は存在する。これはある程度もっともな話ではある。

幸いなことに、このタイプの導入はニンジャスレイヤーが元祖ではない。他作品においても、実のところ昔からそれなりの数が存在している。それら先例があった事を念頭に置くことで、頭がばくはつしそうになった方も、心を落ち着かせて作品に臨むことが可能かもしれない。

加えて言うならば……実のところ、物理書籍のニンジャスレイヤー第一巻「ネオサイタマ炎上1」には、時系列的にみても実際「第1話」といえるオリジン・エピソード、「ボーン・イン・レッド・ブラック」が収録されている。「エッ!? じゃあ、大丈夫じゃん!」その通り。焦らなければ、実際大丈夫なのだ。本の最初には「これまでのあらすじ」があるが、どちらにせよ、「第1話」も同じ本の中で読めるのだ。「じゃあ、大丈夫じゃん!」その通りだ。というわけで、時系列シャッフルの刺激におののいてしまった方は、とりあえず同じ本の後ろの方のページをめくっていって、「ボーン・イン・レッド・ブラック」から読み始めるようにするのも、一つの解決策である。

 

==== NINJA FACTS ====

スターウォーズは最初にエピソード4から始まった。1~3はずっと後に作られた。あれは最初の最初が4で、宇宙銀河を背景に「これまでのあらすじ」が流れてくる導入であった。これは非常にクールだ。映画を見る側ではコントロールできない事象……スクリーンに流れる状況の更に外側に、無限の世界と秘密が隠されている事を感じさせたのだ。

あるいは、ボンド&モーゼズが影響源として挙げるヒロイックファンタジー小説はどうだろうか。ロバート・E・ハワードによる英雄コナンのシリーズは、散発的に発表された短編・中編の集まりであり、時系列と発表順には関連性が無かった。初めて世に現れたエピソードにおいて、コナンは既にアキロニアの王であった。コナンといえばシュワルツェネッガー主演の映画「コナン・ザ・グレート」の盗賊冒険者としての姿が一般的なイメージとして知られている。しかし初出の彼はアキロニア王だ。王なのだ! 年代も立場もバラバラのエピソードが浮かんでは消えることで、物語に適度な空白が生じ、そこに想像の余地が与えられ、神秘的な神話性が付与されていたと言えよう。

征服王コナン―英雄コナン・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)

征服王コナン―英雄コナン・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)

 

 翻って、ニンジャスレイヤーはどうだろうか? 「ゼロ・トレラント・サンスイ」の「これまでのあらすじ」において、真っ二つにされて殺されたイクエイションとは、いったいどんなニンジャだったのか? なんと、ニンジャスレイヤーとイクエイションの戦闘を描いたエピソードは、2015年12月現在に至るまで、存在していない。

時系列順ではない執筆のスタイルには、おそらくヒロイックファンタジー小説へのオマージュの側面が強くある。しかしもうひとつ重大な理由が存在していた。「要は、書きたくなった話から書く。そうすれば執筆机に向かうのが常に楽しくなるだろう? だって、書きたい話なんだから。そうすることによってモチベーションが100倍になって、執筆速度も上がり、結果的に量が書ける。テンションは筆致にも影響する。これはとても大事なポイントだ。もし時系列順に書いていたら、君が読める2015年の最新時系列のニンジャスレイヤーにはまだガンドーやシルバーキーは出ておらず、インターラプターと殴り合っているあたりだったかもしれない」原作者のひとり、ブラッドレー・ボンドは、以前そのようにコメントした。

またもうひとりの原作者フィリップ・N・モーゼズは、「僕はそもそも完全に整ったものが嫌いだ。不完全なほうが美しい。これまでのあらすじから始まり、さらに時系列がカットアップされ、エピソード間で記述の矛盾が多少出ているのはむしろ好ましい。だから加筆修正は矛盾の解消の為には最低限しかしないし、ほころびはイマジネーション可能性とともに残り続ける。歴史というのはだいたいそのようなものだ」と述べている。

結局のところ、あまり細かい事は考えすぎず、ゼンを高めて「ニンジャアトモスフィアを感じる」ことをおすすめしたい。

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

  • 作者: ブラッドレー・ボンド,フィリップ・N・モーゼズ,わらいなく,本兌有,杉ライカ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2012/09/29
  • メディア: 単行本
  • 購入: 40人 クリック: 2,071回
  • この商品を含むブログ (87件) を見る
 

(Tantou)

  

 

広告を非表示にする